自然回帰
今晩は満月の海へ、
昨夜は、深夜に起きて、ベランダから皆既月食に手を振りました。
そのあと、月も石なんだよな、地球も石なんだよなと思ったのです。
太陽の光を反射する月、その光に照らされた地球。それらが宇宙に浮いていて規則的に動いてる。そして万有引力でここに存在することはどう考えても不思議です。よくできてますよねー。
当たり前ですが、この創造をめぐらせると、社会の中で厳しく直線にこだわる意識や、直線的な四角い画面に熱中する時間は自然とは言えません。それよりも凸凹の山道を上がり下がりしている方がずっと球体の上の自然の暮らしであるような気がします。山歩きが好きな人はそれを本能で感じているのかな。何より歩くことの大切さを強く感じました。そして重力に逆らって空を飛ぶ鳥や虫たちのかしこさ、素晴しさよ!!欲に沈んで争いや競争がたえない人間とは違って、どれほど賢い自然の営みをしているのでしょうか。素晴らしい生き物たちを犠牲にしている人間の暮らし。長らく続いた社会の「欲」の賭博から解放される時。「こうあるべき」という染み込んだ教育の全てを脳や心から解き放ち、全てに疑いを持ち、いったん教えをゼロにしてもとの自然な自分の心は本当はどう思うかを冷静によく聞く時期。人それぞれの本来の自然な原初の本質を取り戻すことに等しいと思います。
コロナになった時、「原初に戻りたい!!」と心の叫びが聞こえました。
それから「原初」とは自分にとっていったいどのようなものかを手元にあるもので探しました。家にあるもので、自分の求める「原初」に一番近いと感じたのは、インドのタラブックスの絵本「夜の木」でした。それから数年たって、「夜の木」をあらためて眺めると、無意識ながらも、私の意識が木にいっそう近づいていたことに気づきました。
30歳頃から自然回帰がはじまり、実家にもどる機会が増えて、無理なく自然な方法で、自然へと近づく生活をしてきたのですが、はたして「原初」といっても、具体的にどんなものだろうかと度々思いを巡らせると同時に、気になった本を選んで読むことを続けていました。
10数年ぶりに再読した千賀さん著「タオ・コード」。正直に言えば、表紙を覚えていた以外に、内容はまったくおぼえていませんでした。ですが、その本から得たインスピレーションは自分のなかで想像していた「原初」のイメージにかさなりがあり、本の中にも、そのまま「原初」という言葉が見つかり驚きました。本から浮かびあがるイメージはこれからの良きガイドになりました。コロナから5年。ちょうど皆既月食の日に読み終わったのもタイミングで、マックスリヒターの曲を再生しながら、この本を読むとここちよく、不思議と読書が進みました。ちなみに千賀さんの本では新刊「宇宙システム」もすごく面白かったですよ。
精神に役立ちそうな気になるものを選択し続けるうちに、これから先への帰還のガイドは自然に自分のところにやってきました。
人はそれぞれにあるべき場所で心を解放し、安心と信頼の中に身をおくようにすると、身体が自然とグランディングをし、心は身体の中心にすっぽりとおさまります。すると、自然なシンクロニシティや、物事が起きることへの理解であふれていくのだと思います。「タオ・コード」にも同じことが書かれていたのですが、自分自身が自然な状態でいるようになると、問題がなくなる、問題は自然に消えてしまうのだそうです。
それはきっと自然にフィットした今が連続していくような感覚ではないでしょうか。同時に、古い癖や古い思考も自分の中にみつかりますが、観察を続け、それらが自然とほぐれ、皮が剥がれていくような生活をしようと思いました。
本から少し抜粋させていただきます。
「幸福とは何かを手に入れなければ得られないものではなく、何かを手に入れようと思うそれ自体が幸福からはずれた生き方である証拠なのだとこの時以来私はわかるようになった」
「この村の人たちは、自身を磨く創造行為にしか時間というものを使っていない。彼らは魂が真に望むことを望んだ通りに行って日々を過ごしている。この繰り返しが裏も表もない彼らのやさしさ、人間的輝きをもたらしている」
「タオ・コード」千賀一生著;徳間書店

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